FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

プリンセス願望には危険がいっぱい

プリンセス願望には危険がいっぱい』ペギー・オレンスタイン, 日向 やよい(訳), 東洋経済新報社, 2012年11月


原題: "Cinderella ate my daughter", Peggy Orenstein


王子様を期待するプリンセス願望。男の子の目や、同性との競争意識や、ことさらに煽り立てる商業主義もあいまって、小さな女性たちは非常に強力な思想刷り込み装置に晒されているのが現状である。

ペギー・オレンスタイン氏はそういった社会現象に対する批判的な記事を二ユーヨークタイムズ紙などに投稿するジャーナリストであったのだが、自分の産んだ女の子に対してはなす術もなく、自分の子供が強く求めるプリンセス願望には翻弄されてしまったようだ。

うーん、そんなものなのだろうか。世の東西を問わず、世間一般の多くは、やはり、そんなものなのだろう。


我が家にも1人の娘がいる。この娘は至らぬところが多々あるが、幸いなことに、この「プリンセス願望」に至らしめないように成功したと私は思っている。

一番の元凶はテレビだ。当方では小学校にあがるまではテレビは一切見せなかった。親も同様に全く見ない。その代わりに、絵本を大量に与えた。多い日には1日数十冊単位で絵本や物語を毎日図書館から借りてきては読ませていた。テレビと違って空想を膨らませる読書体験があったからこそ空疎な「プリンセス願望」に陥らなかったのだと私は考えている。ひとたびこの読書の習慣が確立して、豊かな心がしっかりと作り上げられていれば、友達の誘惑を受けても、そう易々とは「プリンセス願望」に陥ることはない。

読書体験以外にも、この「プリンセス願望」を排除する方法はいくつもある。スポーツでも芸術でもいい。何か打ち込めるものがあればいいのだ。

たしかに、ディズニーを始めとする商業主義に基づいた社会の装置は非常に強力である。これに打克つには断固とした心構えが親には要求される。


ペギー・オレンスタイン氏はアメリカの事情について本書で紹介しているのだが、日本はディズニーに加えて、AKB48やアニメの萌えキャラクターといった、さらに強力に「プリンセス願望」発生装置が存在する。ロリや萌えのおたく文化はどこまでが裏の文化で、どこからが表の文化なのか曖昧になってしまった。日本人全体でこの曖昧さを愉しんでいる節もある。ウーマン・リブによる批判の先鋒は、女性の「性」を商品化するものとして時折それらに対して批判を発するが、真剣に聴く人は少ない。

ただ、「プリンセス願望」を絶対視するような考え方に陥る少女が一定数存在する。これは、やはり問題である。心の貧困さの裏返しだ。結局のところ「プリンセス願望」に打ち克つには豊かな心を育む環境が必要ということになる。



---
Kiankou書評 ご参考リンク

デボラ・L・ロード『キレイならいいのか ビューティ・バイアス』亜紀書房, 2012年3月
ペギー・オレンスタイン『プリンセス願望には危険がいっぱい』東洋経済新報社, 2012年11月
スポンサーサイト

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

Re: No title

こんにちは。コメントありがとうございます。

なるほど、子供向けの童話が強力な刷り込み装置となっている可能性が高いですね。「あしながおじさん」や源氏物語の「若紫」は、倫理的に疑問符が付きます。

ご指摘いただきましてありがとうございます。

No title

娘さんが読んでいた本の中には、シンデレラとか白雪姫とか眠り姫はなかったのでしょうか。王子様さえ現れたらあらゆる問題は解決するのだという、すりこみはされていないのでしょうか。
最近、娘があしながおじさんを読んでいて、一緒になって読み返してみたら、かなり薄気味悪い話だったこともあり、心配になりました。

古典文学、小説によってこそ、プリンセス願望は培われているとおもいますけどね。
Profile

Kiankou

Author:Kiankou
新書・新刊・社会科学・自然科学・経済・青春小説・エッセイ・思想・教育・児童・絵本・書籍の読書感想、書評、レビュー。
新書入門、文庫入門で何を読もうかと迷っていらっしゃる方にも、ご参考になれば幸いです。profile


いろいろなおすすめリスト

週間人気ページランキング


Twitterボタン

Latest journals
Search form
Latest comments
Latest trackbacks
Monthly archive
Category
Link
twitter
Display RSS link.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。