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官僚の責任

官僚の責任』古賀 茂明(著), PHP新書, 2011年7月


日本は円安にも関わらず景気は大幅には浮上せず、人々は先行きの不安から貯蓄に走り、景気はさらに悪化する循環に陥りつつあるようにも見える。一番の問題点に手を着けず、問題の先送りを続けてきたからである。

日本には問題点が多くあるが、その根本原因のひとつが官僚制である。

私は先に同氏の書いた『官僚を国民のために働かせる法』光文社新書,2011年11月 を何年も前に読了しているのだが、官僚制度についてはいまだ何一つ改善されたように思われない。何かのヒントがあるかもしれないと思い古賀氏の著作でまだ読んでいなかったものを目に通してみた。
この『官僚の責任』は古賀氏がまだ経済産業省に在籍中に書かれたものであるが、基本的な内容は後に書かれた『官僚を国民のために働かせる法』と重なる部分が多い。「省のためではなく、国民のために働け」というのは正論であるけれども、本気で官僚制の弊害にメスを入れるのであれば、古賀氏が「身分制度」と指摘している官僚の終身身分安定制度を崩壊させることである。古賀氏が自身の終身身分安定制度たる老後の手厚い年金制度を棒に振ってまで(振ったのだろうか?)、官僚の問題点を暴き出した一連の行動を私は高く評価する。私だけが評価するのではなく、このように、官僚の問題点を国民の立場で暴いた人間は、保護されるべきである。英語ではwhistleblower (内部告発者)という言葉があるが、日本では四面楚歌となり誰も助けてくれる人はいない。

先に読んだ『JAL再建の真相』においても国土交通省や政治家の奇天烈な行動が目立ったし、東京電力に至っては国策企業として手厚い保護を受けている。

官僚制度と地方公共団体の手厚い給与と老後の保障制度が日本の経済に暗い影を投げかけている。増税の前に、血を流すべきは非効率的な官僚・地方公共団体の制度である。政策を失敗しても、責任を問われない団体など、存在させてはいけない。

官僚や公共団体が非効率的なのは日本に限ったことではなく、タイトルを失念したが、海外でも同様に問題が存在する。公共の団体はそのままだと非効率的になるので、効率をどうすれば達成できるかにみな知恵を絞っている。

たとえば、インドネシアでは、同じ仕事を2つの組織にやらせて、競争させるという手法を取って成功していると聞いたことがある。また、その結果は収入に反映されるべきだ。
古賀氏は本書ではJリーグの1次リーグと2次リーグを編成させる案を提案しているが、それもひとつである。ともかく、何もしなくても身分が保障されるような制度は、問題が多い。

日本は財政赤字を減らすために、緊急避難的に官僚と公共団体の職員を3分の1程度に減らしてみてはどうだろうか。その瞬間に発生する失業に伴う手当ては見込んでおく必要はある。国民は不便を強いられるだろうか?確かにそうかもしれないが、赤字を垂れ流す余裕は無い。赤字に陥った企業は、どこの企業でもこのような血の出るような制度改革を実施している。その苦労もなしに、単に消費税を上げましょうと言っているから、国民は怒っているのである。自ら改革する気の全く無い官僚制度に、文句を言っているのである。




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Kiankou books reviewご参考リンク

『官僚の責任』古賀 茂明(著), PHP新書, 2011年7月
『官僚を国民のために働かせる法』古賀 茂明(著), 光文社新書, 2011年11月
『国家と官僚 こうして、国民は「無視」される』原 英史 (著) , 祥伝社新書, 2015年4月
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