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天の梯 みをつくし料理帖

『天の梯 みをつくし料理帖(時代小説文庫)』高田 郁 (著), ハルキ文庫, 2014年8月


みをつくしシリーズの最終巻。これまでの9巻までと同じように高い精神性を保ちつつ、そのままの勢いで完結に向かう。

澪と同じ音を持つ名前の「美緒」の成長振りに眼を見張る。美しいばかりで世間知らずだった嫌なお嬢様が、浮き沈みを経て、世間を知り、身をやつし、人の痛みを知る人間になった。この物語で一番成長したのはこの娘だろう。

主人公とその夫の行く末は、語らずもがな、想像がつくところだ。だが、あさひ太夫のその後の物語を是非知りたいところである。彼女にとってはここまでの話は単なる前置きにしか過ぎない。どんな物語が待っているのだろう。

高田郁氏にとって小説とは常に北極星のような「こころ星」であって欲しいと願う存在なのであろう。10冊はそれぞれ滋味溢れる料理で彩られているけれど、何か長い長い講談を聴き終えたときのような、説教を聴き終えたときのような、背筋をぴんと伸ばして拝聴したときの読後感を残した。

この小説に出てくるつる屋のあったとされる俎橋界隈は、仕事の関係で私は最近よく通る。九段の坂を西に仰ぎ、神保町方面に視界が利くところ。俎板をはさんで、近所に最近粥を出す店が作られた。関係が無いと分かっては入るけれども、おりょうやふきや種市が出てこないかと、つい想像してしまう。現実と架空の境と時代を超え、この小説を通して私の脳裏にしっかりと刻まれた。ちょうど、『さぶ』の永代橋がそうであったように。

さて、高田郁さんは次に、仕掛の『出世花』の続編にぜひ取り組んでもらいたい。


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Kiankou books review 高田 郁氏の著作


『想い雲 みをつくし料理帖』時代小説文庫(ハルキ文庫),2010年3月
『今朝の春 みをつくし料理帖』時代小説文庫(ハルキ文庫),2010年9月
『小夜しぐれ みをつくし料理帖』時代小説文庫(ハルキ文庫),2011年3月
『心星ひとつ みをつくし料理帖』時代小説文庫(ハルキ文庫), 2011年8月
『夏天の虹 みをつくし料理帖』時代小説文庫(ハルキ文庫),2012年3月
『美雪晴れ みをつくし料理帖』,時代小説文庫(ハルキ文庫), 2014年2月
『天の梯 みをつくし料理帖』,時代小説文庫(ハルキ文庫), 2014年8月

『出世花』時代小説文庫(ハルキ文庫), 2011年5月


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