FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ゲリラ戦争

ゲリラ戦争 キューバ革命軍の戦略・戦術』チェ・ゲバラ(著), 甲斐美都里(訳), 中公文庫, 2008年7月


2015年3月5日付けの日本経済新聞夕刊に長銀の弁護を行った国広正弁護士が情勢から鑑みて圧倒的な不利な状況に立ち向かう精神的な支柱としてこの『ゲリラ戦争』を読んだと書いてあった。その紹介のされ方が面白かったのでどんな本か興味が湧いたというのが本書を手に取った直接の理由である。

また、以前私は革命やゲリラ戦に馳せ参じる人物を描いた船戸与一の小説を数冊読んだこともあり、「ゲリラ戦」「革命戦争」というキーワードに興味を持っていたという背景もある。


さて、本書は指導者フィデル・カストロと出会ってキューバ革命を牽引した指導者チェ・ゲバラによるゲリラ戦争の戦略・戦術の書である。ゲリラ戦といえば非正規軍による非正攻法による戦いを思い浮かべるが、形式上正式な国家の形を取る相手(正規軍)と対戦せざるを得ない場合、最初は必ず非正規軍の形を取る。軍力に差異がある場合、ゲリラ戦という形をとらざるを得ない。

7つの黄金律
チェ・ゲバラはゲリラ戦争には7つの黄金律があるとする。

負ける戦いはしないこと。
つねに動き続けること。ヒットアンドラン、攻撃して撤退する。
敵は武器の主要供給源であると考えよ。
動きを隠せ。
軍事行動では奇襲を活用せよ。
余力があれば新しい縦隊を作ること。
一般論として、三つの事に留意しつつ進めること。すなわち、戦略的防衛、敵の行動とゲリラ行動のバランス、そして、敵の壊滅。


上記の黄金律には含まれていないが、ゲリラ戦は民衆の支持を得るものでなければならないとの心情、社会改革者であらんとする正義感はゲリラ隊が備えるべき重要な要素であり、この7つの黄金律に付して語られるべきものだ。

チェ・ゲバラは、単なる殺人行為であるテロ行為を激しく非難している。ゲリラ戦争とテロリズムを区別するものは、民衆の支持を得るかどうか、または、無関係の人を戦争に巻き込むかどうかである。勝利の暁には、ゲリラ組織が正規政府へと昇格し、民衆の支持を得ることができる。ゲリラ戦闘員を常に高いモチベーションに保つためには正義感、使命感が重要である。

オバマがキューバと和解に動いたのは、いまさらの感がぬぐえないが、動かないままであるよりは良い。チェ・ゲバラの行為もこれで正当な行為であったとアメリカが認めたようなものである。

チェ・ゲバラのこの著作は、対ゲリラ戦争戦を想定してCIAがしきりに研究したとのことだが、山岳付近における戦略は例のアル・カイダが十分に活用したものであるように思われる。アルカイダは果たしてテロリスト集団か、それとも正義の士であるか。最近ではISISという派生集団も知られている。世界は単純化できない考えを持つ集団の動きを無視できなくなっている。



スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

Profile

Kiankou

Author:Kiankou
新書・新刊・社会科学・自然科学・経済・青春小説・エッセイ・思想・教育・児童・絵本・書籍の読書感想、書評、レビュー。
新書入門、文庫入門で何を読もうかと迷っていらっしゃる方にも、ご参考になれば幸いです。profile


いろいろなおすすめリスト

週間人気ページランキング


Twitterボタン

Latest journals
Search form
Latest comments
Latest trackbacks
Monthly archive
Category
Link
twitter
Display RSS link.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。