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国家と官僚

国家と官僚 こうして、国民は「無視」される 』 原 英史 (著) , 祥伝社新書, 2015年4月

原 英史氏は本書を通じて、結局のところ何を伝えたかったのだろう。

本書は日本の官僚のしくみについて分かりやすく教科書的に解説し、問題点を整理する。また過去の内閣が対策を実行してきた経緯とその効果についても評価を与える。

官僚の特徴と弊害については原 英史氏はよく理解されているし、現在進行中の改革については評価を保留しつつ、ある程度の効果が上がることを期待している。一方で、官僚制度の問題点と弊害(page 169)については、将来的な展望は、すぐには開けないと悲観的な観かたを示している。一方が塞がれば、別のルートが太くなり、結局元に戻る。

私はここで、原 英史氏の立ち位置について基本的な疑問を抱いてしまった。結局のところ、この方は官僚制度についてどうされたいと考えているのだろう。「将来展望が開けない」などと、一介のコメンテーターのような毒にも薬にもならない話は聞きたくない。

たしかに、感情的な論法で官僚制度の高い壁を攻略しようすると、反発を招き、うまくいかないかもしれない。一方で官僚の立場とメンタリティーを理解しつつ、官僚に敬意を払いながら、より効率的で国民にとって透明で公平な制度に移行できるのであれば望ましい。

この方の経歴を調べてみると、古賀 茂明氏の紹介により安倍晋三、福田康夫内閣で渡辺喜美行政改革担当大臣の補佐官を2007年に務めている。原 英史氏が退職された経緯は存じていないが、「株式会社政策工房」を立ち上げるにあたって、古賀 茂明氏のように何か胸に秘める所があったのだろうか。

本書を読みながら原 英史氏の意見が素直に伝わってこないのは、そういった個人的な感情や経緯が理解できないからでもある。

古賀 茂明氏の著作にて指摘されていた一番の特徴は、官僚が身分が保障されている点である。独立行政法人に天下りとなっても、手厚い保障制度と退職金制度は本省にいる場合と変わらない。「天下り」となると目立つので、いっそそれなら、と定年前に出向転勤としてしまいつつ、給与等身分はそのまま保持される、とのことであった。このような「抜け道」を探し、作ることにかけては法律を熟知している官僚を誰も止めることはできない。省益と自らの地位の保全が優先され、結果、国民の利益が考慮されない。

医薬品の販売方法を簡素化する案について官僚が抵抗していた件などをみると、自らの利権を手放したくない官僚が抵抗しているようにも思える。

これを排除するには、すべての法律に時限を設けておき、一定の時間が過ぎれば基本的にはすべての法律は廃止され、それと同時にそれを管轄していた部隊も解散することにしてはどうか。あらゆる規模の企業においても、いまやリストラは当然の選択肢となっている。いつまでも同じ仕事があると考えるほうが不自然だ。新しい仕事が発生するなら、引き続き仕事を続けてもよい。仕事がなければ、別の職を探すべきだ。これだけ国民が苦労している中で、官僚・公務員が安泰な特権にしがみつき、国民に無駄を強いるようなことは御免蒙る。





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Kiankou books reviewご参考リンク

『官僚の責任』古賀 茂明(著), PHP新書, 2011年7月
『官僚を国民のために働かせる法』古賀 茂明(著), 光文社新書, 2011年11月
『国家と官僚 こうして、国民は「無視」される』原 英史 (著) , 祥伝社新書, 2015年4月
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