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地方消滅

地方消滅 東京一極集中が招く人口急増』増田 寛也, 中公新書, 2014年8月


日本の将来の人口問題について、これだけ明確に語られた本は不思議なことにそれまでほぼ皆無であった。特に地方都市における人口減については、語られることはタブー視でもされていたのかと思うほど、この本の巻末に記されている各地方の2040年の将来人口予想は衝撃的な数字である。数年前に藻谷浩介氏が『デフレの正体』にて指摘していたGDPと人口減との相関はかなり眉唾であったが、本書の予想は人口そのものであり、信頼度は高いと思われる。

根拠の無い楽観主義が全く通用しない。問題点をまとめて、まずは将来に備える準備を始める必要がある。

本書の第3章および第4章にて指摘されている政策のひとつひとつは、ことごとく、必要である。提言は概要にとどまるため、ディスカッションないしはブレインストーミングのための良いたたき台となろう。

このうち、ふるさと納税や農業の法人化などに関わる取り組みなどはすでに実施されつつある政策もある。すべてを地方と国家の再生のための必要な手段と深刻に受け止め、しっかりと推進していくことが必要となる。

東京と地方の双方の産業力が弱いのは、日本がそれまでと同じ産業モデルを推進していたからである。すなわち、工業製品を作り、出来たものを輸出する加工業モデルである。経済のググローバル化が進んだ中で、経済構造を変化させず、失業を恐れてリストラを先延ばししてきたつけがここに来て顕在化したのである。地方都市とて、東京や大阪などの大都市の「工場」としての位置づけに頼ってきた産業構造にも問題がある。

本書でも指摘されており、今後地方が生き残るために必要な一つの鍵と思われるのは、その地方に特有な製品の開発と振興である。健康志向の高い都市住民や富裕層にとっては新鮮で安全な農産物は非常に魅力的だ。高額商品であれば輸出も視野に入れることが出来る。日本固有の質の高い工芸品などにについては、日本人であっても宣伝の行き届いていないこともあって、知られていないものが多数存在するだろう。




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Kiankou Books Review

エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10(日本経済新聞,2014年12月29日掲載)

1.『労働時間の経済分析 超高齢社会の働き方を展望する』山本勲/黒田祥子
2.『ミクロ経済学の力』神取道宏
3.『量的・質的金融緩和 政策の効果とリスクを検証する』岩田一政
4.『それでも金融はすばらしい 人類最強の発明で世界の難問を解く』ロバート・J.シラー
5.『サービス産業の生産性分析 ミクロデータによる実証』森川正之
6.『地方消滅 ー 東京一極集中が招く人口急減』増田寛也
7.『なぜ貧しい国はなくならないのか 正しい開発戦略を考える』大塚 啓二郎
8.『コーポレート・ガバナンス』花崎正晴
9.『アダム・スミスとその時代』ニコラス・フィリップソン
10.『その問題、経済学で解決できます』ウリ・ニーズィー、ジョン・A・リスト
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