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日本軍と日本兵

日本軍と日本兵 米軍報告書は語る』一ノ瀬 俊也, 講談社現代新書, 2014年1月


先日読んだ『容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別』ジョン・W.ダワー(著), 猿谷 要(監修), 斎藤 元一(訳), 平凡社, 2001年12月によると、日本人は一枚岩で天皇を崇拝する狂信的な人種との考えがアメリカには深く根付いていたことが報告されていた。最後のひとりになっても徹底した抗戦を止めない日本人に対しては、従って、徹底的に打ちのめすための手段として民間人への空爆や原子爆弾の投下が正当化されていた。

アメリカ当局によるアメリカ国民に対する洗練されたプロパガンダが長い眼でみた戦局を左右したと思われる。もちろん、勝ち目の無い無謀な戦争を仕掛けた日本の分は圧倒的に悪い。

本書は太平洋戦争における日本軍(主に陸軍)の行動を分析した内部資料である。Internetで検索してみると、一部がネットで公開されていることが分かる。

1943-07 Intelligence Bulletin Vol 01 No.11: United States. War Department: Free Download & Streaming: Internet Archive

ちなみに上の資料の日本の章を見ると、Do Japanese Surrender? The answer is definately "yes."...とあり、非常に興味深い。

これらの軍向けの資料を読むと日本軍の実体についてきわめて正確に把握していたことが分かる。決してfanaticという訳ではなく、個人でみると捕虜として相手国に捉えられることもある普通の軍人が多く存在していたことが分かる。

ただしこれらはあくまで「軍事情報」なのであり、知りえた情報がマスコミやアメリカ上層部を動かすことはなかったし、あるいは、把握していたとしても意図的に握り潰したことだろう。

戦争初期はガダルカナルにて白兵戦を仕掛けるなど稚拙な戦法を用いていたが、その後レイテ戦、硫黄島等後期になるに従って日本軍も戦法を高度化させたことが分かる。夜間の奇襲や、穴掘り戦法など南海島のジャングル戦に相応しい戦い方がアメリカを苦しめた。しかし、圧倒的な物資不足が日本軍の欠点であったことがわかる。

日本軍は精神的にも追い詰められており、指揮官たちは不条理な命令を下すため、次第に士気が低下していった様子も見て取れる。

日本軍が決死の覚悟で戦闘に望んだのは、天皇のためではなく、故郷で待つ父母・妻のためであったというのが大半なのではないか。天皇のための戦いに殉死したとなれば、遺された家族は栄誉を与えられる。逃亡したとなれば、村八分は必死である。日本軍を駆り立てたのは、天皇でも、一部の軍部の独走でもなく、実は、割烹着を着て日の丸の小旗を振りながら送り出した妻であり、母であったと書いたのは加藤陽子氏であった『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤 陽子,朝日出版社,2009年7月


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