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維新の精神

維新の精神 第三版』藤田 省三, みすず書房, 1992年10月


本書は藤田省三氏によるエッセイ集なのであるが、私が一読して興味を持ったのはタイトルとなっている「維新の精神」である。一番の核心部分を以下に抜き出しておく。

「...維新国家のステイツメンが、伝統的価値としての「天皇」シンボルの絡みつきから内面的に解放されていたが故にこそ、この伝統的価値すなわち「玉」を自由に操り、そこに国家建設が可能になったのである」page 26


維新の士たちは天皇制に捕らわれたのではなく、それを利用し、自分の意思にて横との連携を行って独自に活動したがためにあのようなことが可能だったとの解釈が私には新鮮である。また、その意味では攘夷派、佐幕派の両方ともが独自に活動していたとの評価も腑に落ちる。

また、「小民」によって構成される「社会」の如何こそが維新の死活を決定する問題だと考えられたとき、ここに、「政府」と「役人」にコミットすることを拒否して専心「社会」の変革に努力する「社会のステイツマン」が生まれ、超越的不変価値としての「文明」が現世に向かって投入されることとなったのである。page 27

上記の文章はやや難解だが、上からの改革でなく下からの改革である点を強調したものである。この文章は福沢諭吉の『文明論之概略』を下敷きにしていることは明らかだ。福沢自信は「世の中が変革する際に武力に身を投じるのは馬鹿げている」として超越主義を通していた。その際の先見性を私も評価しているのだが、これが何故朝鮮半島への進出の段になると批判の眼を向けることができなかったのか不思議である。





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Kiankou

Author:Kiankou
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