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日本の外交

日本の外交 明治維新から現代まで』入江 昭(著), 中公新書, 2007年3月


入江 昭氏によるこの著作は明治維新以降の日本の外交史について新書という限られたスペースの制約の中で明晰なパースペクティブを持って書かれた名著である。振り返ってみれば明治維新は内的要因と外圧という二つの要素が合わさって化学反応を起こしたものであった。それ以降の時代で外交を抜きには日本を語ることは不可能だ。外交の歴史を語りながら、本書は鋭い歴史批判の書となっている。

外交や歴史を事象の積み重ねとして捉えてしまうと流れが見えなくなってしまう。入江 昭氏が指摘するのは従来の外交の多くが無思想的、事象対応的、行き当たりばったり的であって、背景的な思想が無かったとの事象である。なるほど日本が領土拡大主義のドクマに汚されてしまったあとの日清・日露戦争以降については、外交の背景としての思想が見えてこない。

道徳性の欠如。何故こんなことになってしまったのだろう。寺子屋で四書五経を学んできた日本は他はいざしらず、道徳性は高かったのではなかったのか。入江氏が指摘しているのは明示的に道をはずしている非道徳という訳ではないのだけれど、不道徳、道徳がそこに見当たらないというのである。外交のみならず、日本のこの時期の政策が全般に道徳性が欠如していた。

本書を通して読むとアメリカと日本の関係が非常に微妙に変化していったことがよくわかる。よくも悪くもアメリカは強力な思想性を持って外交に当たっていたのである。

本書の最後には、日本はそろそろ新しい外交ヴィジョンを打ち立てるべきだとの記述がある。この書は1966年に書かれたものであるにも関わらず、この指摘が現在でもそのまま通用してしまうのではないかと思われるほど日本の外交に関する方針は遅として進んでいないように思われる。

つい先日与党による単独採決により新安保法案が可決した。日本のより広範な外交政策コミットメントを意味するのか、輿論は統一されていない。

本書には続編があるようなので、そちらを併せて読む予定。

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Kiankou

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